Redan’s Mutter. 

レダンの呟き。

2度目は、うまくいく?

Text by Kobayashi Kazuto, Illustration by Sasaki Goro

不思議なもので、ティショットでOBを打った直後にはナイスショットが出るものである。「最初からこう打てば良かったのに・・・」などとボヤキながらフェアウェイに歩き出すのがお決まりのパターンだが、まあ最初から打てないからアマチュアなのであり、2発連続でミスをするほど下手でもないということなのだろう。

 なぜ2度目はうまくいくかというと、もちろん最初の失敗を生かしているからで、「打ち急いじゃったな」とか「力が入っちゃったな」などと反省し、そこに気を付けて打つからまっすぐ飛ぶのである。また、ミスしたことで自分への過度な期待を捨てていることも、うまくいく理由だろう。「オレってこんなものだよね」と達観すれば、案外リラックスして打てるものである。

「2度目はうまくいく」という意味では結婚も同じではないだろうか。かくいう私もバツイチで、2度目の結婚は破綻せず現在に至っている。その理由を自問自答してみると、やはり「自分に期待していない」ということが大きい。といっても決してうまくいっているわけではなく、家庭には最初の結婚生活に通じる微妙な空気が流れている。ただ自分は結婚に向いていない人間なのだという自覚があるから、次にうまくいくというイメージを抱けず、ギリギリのところで踏みとどまっているというのが現実だ。1発のOBならまだ取り返せるが、2発連続だと厳しいのは十分承知しているし・・・。

 そう考えると、ますますゴルフと結婚は同じような気がしてくる。だってOBを打ったスイングと、ナイスショットしたスイングは基本的に同じなのだ。にもかかわらず結果が大きく違うのは気持ち的な差でしかないのではないか。同様に、妻となった異性に期待することとか、日常における接し方などというものは経験上変わらないものである。口では「俺に構わないでいいよ」とか言いながら、内心では『巨人の星』の明子姉さんのような献身や『釣りバカ日誌』のみち子さんのような包容力を求めている私だが、そんなお伽噺が現実の世界にあるはずもなく、加えて星飛雄馬のような純粋さや、ハマちゃんのような朗らかさを持ち合わせていない中年男を、普通の女性なら持て余すだろうなという自覚もある。となれば多少の試練は我慢するしかないわけで、これもゴルフと一緒だ。

 話が重たくなったので、最後にツアープロに聞いたティショットでOBを打たないコツを披露しよう。たとえば朝イチのティショットが苦手ならば、ラウンド前の練習で最後の1球をドライバーで真剣に打つ。つまり事前にリハーサルをしておくのだ。同様に、狭くていかにも曲がりそうな感じのホールに来たら、頭の中で1度ボールを曲げておく。こうして1度失敗している状態を作れば、2度目はうまくいく、はずである。