HELLO!REDAN!

ハロー!レダン!「リビエラカントリークラブ」

ルート選択が多彩になる”短い”パー4ホール

Text by Tadashi Nishizawa, Photo by Taku Miyamoto

毎年、ロス・オープン(現ノーザン・トラスト・オープン)が開催される『リビエラCC』は1927年に創設された。設計したのはアメリカの生んだ名設計家、ジョージ・トーマス・ジュニア(1873~1932)。開場と同時に彼は一冊の書物を出版する。『アメリカのコース設計・その戦略と建設』で、近代的コース設計のバイブル的存在。

彼は東部・フィラデルフィアの富豪の家に生まれ、生涯に職業に就いたこともない趣味の人で、薔薇の栽培・研究家としても知られた。そんな彼がA・マッケンジー博士、H・アリソンなどコース設計家と交わるうちに近代的コース戦略について書物を書き、リビエラCCを設計したのだ。キー・ワードは戦略性。「ゴルフ・コースの戦略性こそ、このゲームの魂そのものである」と、彼は言い切る。

だから、リビエラCCの18ホールにはユニークな造形のデザインが並んだ。グリーンの中にバンカーが鎮座したり(6番ホール)、グリーン正面のバンカーを避けて地形の傾斜を利用してワン・オン可能なパー3ホール(4番)だったり。

しかし、最高に奇抜な発想は10番、315ヤードと極端に距離の短いパー4ホール。ドライバーを持てばワン・オンも可能だし、アイアンでレイアップしてもグリーン周りの造形がパーを獲ることさえ難しくする。クラブ・ハウスに近いこともあって、過去に何回もプレー・オフの舞台に選ばれた。そして、その都度、華やかなドラマが生まれた。

右ドッグ・レッグの花道にレイアップして、いざウェッジ類を手にグリーンを望むと、狭く縦長のグリーンは左に傾斜している。右側はバンカー、左側は窪地のラフ。まさに、レダン・タイプのグリーン造形なのだ。帝王J・ニクラスは言う。「私の知る短いパー4ホールで、ルート選択が多彩な見事なホールだ」。

全知全能を賭けてホールに立ち向かうプレーヤーはゴルフの戦略性という魂に触れる。そこには人間の叡智が詰まった世界がある。

Hole 10th par4 311yards