Club House Watcher.

クラブハウス建築美学。
青梅ゴルフ倶楽部建築家/佐藤武夫

奥多摩の山懐に抱かれた、
温かくモダンな"青梅銀閣"。

Planning by Sato Takeo, text by Fushimi Yui, photos by Kawabe Akinobu

「青梅銀閣」と呼ばれるクラブハウス。日本が世界に誇る、美しい打放しコンクリートの表面は、確かに、まるで銀色のようだ。ゴルファーの記憶に残る、名建築が奥多摩に佇んでいる。

ゴルフ場の一面のグリーンの中に、シルバーの大屋根の建物がそびえている。「青梅銀閣」という愛称で呼ばれる、青梅ゴルフ倶楽部のクラブハウスである。

1958年、東京都青梅市の北側に広がる標高238mほどの霞丘陵に、当時のゴルフブームの波に乗るように、青梅ゴルフ倶楽部が開場した。都心から近いとはいえない立地ながら、多くの会員に恵まれ、57年もの歴史を積み重ねてきた。奥多摩の豊かな自然やコースとともに、クラブハウスの魅力が、ゴルファーの心を惹きつけたようである。当時は土地が開けており、青梅市の隣、福生市辺りからもクラブハウスの大屋根が遠望でき、ついには「青梅銀閣」と呼ばれるほどのランドマークとして親しまれてきた。元プロ野球選手の杉下茂も、青梅ゴルフ倶楽部へ向かう途中に、大屋根が見えるのが印象的だった、と述懐していたという。

その「青梅銀閣」を設計したのは、建築家・佐藤武夫。早稲田大学教授であり、大隈講堂を設計した人物である。

9番ホールから見たクラブハウス。方形造と呼ばれる大きな屋根が、印象的である。