Gastronome’s Notes.

中村孝則の美食の嗜み。
HEINZ BECK

50代男性が好む、アンチエイジングな美食。

Navigation by Nakamura Takanori photos by Kuribayashi Shigeki text by Inoue

名店、美食に精通するコラムニスト・中村孝則がナビゲートする日本のうまいワールド。男たるもの、ガストロノミストであれ。

50歳を迎えた頃から、フランス料理やイタリア料理のコースを連日のようにペロッとは完食できなくなった。美味しいのはわかっているし、目では欲していても、カラダがこれ以上は無理といってくるのだ。自分が「歳をとったな」と少しさびしく感じた瞬間だった。

そんな折、ハインツ・ベック氏に出会った。ローマの3ツ星レストラン『ラ・ペルゴラ』をはじめ世界で活躍するハインツ・ベック氏は、華々しい経歴の持ち主であると同時に、"美食と健康"にいち早く注目し、栄養学を取り入れたり、医学博士と共同研究を行うなど革新的な料理人として知られる。くしくも僕と同じ歳である。取材で話をしているうちに、50代のわれわれが感じる心身の変化について多いに盛り上がった。

そんな『ハインツ ベック』のコースは9皿。その数を聞いて驚くかもしれないが、ひと皿ひと皿、見た目の美しさや食べたときの満足感を十分に満たしながら、まったく胃にもたれることも、カラダを重くすることもない。最後のデザートを食べ終えたときに心もカラダも若返った気がするのは、美味しいものを存分に、気持ちよく食べきったことへの満足感からだろう。50代には50代のコース料理がある。これぞ、アンチエイジングな美食なのである。

HEINZ BECK

www.heinzbeck.jp

  • 住所/東京都千代田区丸の内1-1-3日本生命丸の内ガーデンタワー M2F ● 電話/03-3284-0030
  • 営業時間/11:30~15:00(L.O.13:30)、17:30~23:00(L.O.21:00) ● 定休日/日曜 ※年末年始は要問合せ
  • 席数/全34席 備考/ランチ・ディナー9皿のコース19,000円、ランチ・ディナー6皿のコース15,000円、

ランチ限定4皿のコース8,000円、アラカルト1,800~5,400円(消費税、サービス料別)

 

 

 

カンパチのタルタルトマトのムース タジャスカオリーブ
お皿の底にドライアイスが敷き詰められ、水を注ぐと霧が広がる涼しげなひと皿。
カンパチに添えられた白いムースがじつはトマトという意外さも。